ゲオがペニーオークションを始めている件

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ゲオが何をとち狂ったのかペニーオークションサイトを開設していた。しかも社名を前面に押し出し大体的に始めている。東証1部上場企業のすることか? と思うのだが。 GEO(ゲオ)オークション – オークション・ショッピングサイト 液晶テレビ、デジカメ、DSiを落札・購入しよう

GEOオークション スクリーンキャプチャ

ペニーオークションの仕組み

ペニーオークションというのは入札の度に手数料がかかるオークションのこと。Yahoo!オークションのような通常のオークションとはかなりルールが違う。まず商品の出品者はオークション開催者のみ。入札には手数料が必要で、好きな金額で入札はできず、決められた金額づつ入札額が上がっていく。 このサイトの説明が分かりやすい。

例えば、希望小売価格10,000円の商品を運営者が0円出品します。実勢価格が8,000円の品だとして、それが6,000円で落札されたとしましょう。1入札ごとに75円の手数料がかかる一方で入札額は15円ずつしか上がらないシステムなので、6,000円になるまでの400回分の入札手数料75×400=30,000円が運営者の元に。ちなみに落札者自身が10回入札していたなら、落札代金6,000円と75×10=750円の入札手数料、それに送料300円を支払うことになるものの、それでも実勢価格よりは安く商品ゲット! ・・・まあその陰で「1入札75円くらい、いいや」という人たちの小銭が全て運営者(くどいようですがイコール出品者)に吸い取られるわけですが。

ようするに極めてギャンブル性が高く、胴元が圧倒的に有利な仕組みだ。ペニオク開催者が損をすることはほぼあり得ない。

ペニーオークションの歴史

一番初めにこのアイデアでサービスを始めたのはSwoopoというサイト。今も基本的に、ペニーオークションと言えば日本を除いてSwoopoのことを指すと思う。 Swoopoは2005年にドイツで始まった。米国でのサービス開始は2008年9月。2009年のTech Crunch日本版にSwoopoについての記事があり、ここではかなり好意的に書いてある。 このアイデアを初めて日本に持ち込んでサービスを開始したのはヤスオク。2010年2月に香港企業に譲渡され、激安オクという名前に変わっている。日本で一番人気のあるペニオクサイトは激安オクだろう。 ヤスオクの主催者ははっきりしない。2chの情報だがここに色々まとめられている。香港企業に譲渡された経緯に関しては、様々な憶測があったもののはっきりとしたことは分かっていない。激安オクに関しては社名、責任者、問い合わせ先電話番号とも明記されており、その点ではきちんとしていると言える。 初めにヤスオクに警鐘をならし、ペニーオークションの仕組みを批判したのはおそらく2009年夏のこのエントリ
てわけで、これは極端に胴元有利なギャンブルです。みんな気をつけてね。
2010年6月現在、はてなブックマークが500近くついているので、かなり多くの人に読まれたのだろう。 批判的な声が多かったものの、今ではかなりの数のペニオクが運営されているようだ。2010年6月現在、比較サイトを見ると40サイトほどが掲載されている。

GEOオークションの今後

ネット上では批判的な意見が散見されてはきたものの、これまで世間一般でペニーオークションが問題視されることはなかった。そもそもまだその存在についてほとんど知られていないと言った方が正確だ。しかし、上場企業が目立つ形で始めたとなれば今後は問題視されてくる可能性も高いのではないか。 上場企業でペニオクを始めたのはゲオが初めてというわけではない。サイバーエージェントは子会社のCAモバイルカイドキというペニオクを運営している。

カイドキ スクリーンキャプチャ

一応運営者の名前は分かるようになっているが、CAモバイルの会社サイトへはリンクを張っていないというナイスなサービスだ。CAモバイルやサイバーエージェントの名前は前面に押し出していない。ようするにコソコソやってる感がある。大っぴらにしたくないのかもしれない。 ゲオの場合は堂々としたものだ。なんといっても「GEOグループが提供しているサービスだから安心・安全」と打ち出している。運営しているのはライブドアグループを経て2008年にゲオの傘下に入ったぽすれん。 ゲオがグループ名を前面に押し出す形で参入したということは、検討の上で法律的に問題なしと判断したのだろう。しかし道義的にはどうかと思うし、今後問題化する可能性がゼロではないと思っている。 ペニオクの運営者はほぼ確実に儲かる。しかし売上高2000億円、営業利益100億円を超えるゲオの業績を押し上げるほどのものではないはずだ。得るものが小さいわりに何かあったとき失うものは大きそうで、どうにも割に合わない無茶をしているように見える。
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