［市況］11月16日の東京株式市場｜日経平均20円高もTOPIXは4日続落、相次ぐ増資に需給悪化懸念高まる

全体概況

11月16日の日経平均株価は前日比20円87銭高の9791円18銭と反発、TOPIXは前日比6.38ポイント安の860.42ポイントと4日続落した。

前週末13日の米国株式市場は反発し、ダウ工業株30種平均は73ドル高。16日午前8時50分に内閣府が発表した2009年7-9月期実質GDP（国内総生産）は年率4.8％のプラスとなり、2四半期連続でプラスとなった。好材料が続いたが、東京株式市場は上値の重い展開となり、日経平均は終日前週末終値をはさんだもみ合い、TOPIXは安値圏での推移を続けた。前週末に増資の発表と報道が相次ぎ、需給悪化懸念に上値を抑えられた。

東証1部の出来高は18億4482万株、売買代金は1兆1562億円。値上がり421銘柄、値下がり1186銘柄、25日騰落レシオは77.84％。新高値は11銘柄、新安値は102銘柄。東証業種別株価指数は全33業種中、値上がり9業種、値下がり24業種だった。

個別株概況

三菱UFJフィナンシャル・グループ（8306）が続落。14日付の日本経済新聞朝刊で年内に1兆円の増資を行うと報じられた。

三井化学（4183）が13日午後4時15分、公募増資で最大642億9200万円を調達すると発表。発行済み株式数は2億3000万株増加し、29.0％の希薄化となる。16日の株価は急落し、37円安の243円。

日立製作所（6501）が急落。寄り付きから売られ、25円安の269円で引けた。15日付の日本経済新聞朝刊で年内に3000億円を上回る資本増強を行う方針を固めたと報じられ、16日は売り先行で取引を開始。午前11時30分に公募増資とCB発行で最大4156億円を調達すると発表した。

13日午後4時10分、UCC上島珈琲に対する第三者割当増資を発表したユニカフェ（2597）はストップ安比例配分。100円安の875円と急落した。売買成立は7900株。1株430円で700万株を発行、101.9％の希薄化となる。UCCは持ち株比率50.47％の筆頭株主となる。

13日引け後、三井住友フィナンシャルグループ（8316）が2010年3月期の第2四半期連結決算を発表。純利益が1235億円となり、従来予想の900億円を上回った。通期業績予想は経常利益を5100億円から4900億円に減額。みずほフィナンシャルグループ（8411）は純利益が前年同期比7.1％減の878億円となった。通期業績予想は経常利益を3300億円から3000億円に減額。三菱UFJの増資観測から、両行にも売りが波及した。

日本航空（9205）が2010年3月期の第2四半期連結決算を発表。売上高7639億円(前期比28.8％減)、営業損益957億円の赤字(前期302億円の黒字)、最終損益1312億円の赤字(同366億円の黒字)となった。また、事業再生計画案の合意がされておらず、業績予想が困難との理由で8月7日に発表した通期予想を撤回した。

三井松島産業（1518）が連結業績予想を上方修正。売上高を470億円から530億円に、営業利益を35億円から40億円に、純利益を20億円から30億円に増額した。修正後のEPS（１株利益）予想は28円53銭。

TOWA（6315）が2010年3月期の通期連結業績予想を修正。営業損益が1億円の黒字から5億円の赤字に、最終損益が1億円の黒字から7億円の赤字に転落する。株価は朝方売られたものの急反発し、43円高の606円となった。

エディオン（2730）が2010年3月期の通期連結業績予想を上方修正。営業利益を50億円から80億円に、経常利益を130億円から170億円に増額。修正後のEPS予想は66円74銭。

大日本印刷（7912）が2010年3月期の通期連結業績予想を修正。営業利益を150億円から256億円に、純利益を75億円から79億円に増額した。修正後のEPS予想は12円30銭。

エーアンドエーマテリアル（5391）が2010年3月期の連結業績予想を下方修正。営業利益を8億円から1億円に、最終損益を1億円の黒字から3億円の赤字に引き下げた。

OBARA（6877）が2009年9月期の連結決算を発表。売上高が224億円となり前期の462億円から半減した。営業損益は前期の57億円の黒字から15億1600万円の赤字に転落。2010年9月期の業績予想は売上高が225億円とほぼ横ばい、営業損益は1億5500万円と黒字を見込むものの、最終損益は1億円の赤字を予想している。株価は急伸し、36円高の894円となった。

大陽日酸（4091）が100円ストップ高の1040円と急騰。13日引け後に発表した2010年3月期の第2四半期連結決算が事前の予想を上回った。16日は野村証券が投資判断を「2」から「1」に、目標株価を900円から1150円に引き上げ。好材料が相次ぎ大きく買われた。