［市況］11月26日の東京株式市場｜日経平均58円安、1995年以来14年ぶりの円高水準嫌気

全体概況

11月26日の日経平均株価は前日比58円40銭安の9383円24銭、TOPIXは前日比3.73ポイント安の829.56ポイントとともに反落した。

25日の米国株式市場は反発。ダウ工業株30種平均、S&P500種がそろって年初来高値を更新した。東京株式市場は1ドル＝87円台の円高水準で推移していた為替が嫌気され、日経平均は寄り付き86円84銭安の9354円80銭と反落して始まり、一時116円65銭安の9383円24銭まで下げ幅を広げ200日移動平均線を割り込んだ。200日線をいったん割り込んだことでリバウンドとなり、日経平均は下げ幅を縮小、前場はプラス転換して引けた。ただ、午後に入りドルが急落。ドル円が1995年以来となる1ドル＝86円台まで下落したことで、日経平均は再びマイナスに転じもみ合いとなった。

東証1部の出来高は19億4681万株、売買代金は1兆1725億円。値上がり680銘柄、値下がり866銘柄、25日騰落レシオは60.72％。新高値は6銘柄、新安値は100銘柄。東証業種別株価指数は全33業種中、値上がり14業種、値下がり19業種だった。

個別株概況

米国でレクサスES350など8車種、約400万台の自主改修を行うと発表したトヨタ自動車（7203）は小幅安。改修は、8月にカリフォルニア州で起きたレクサス車暴走により一家4人が死亡した事故をきっかけに浮上した、フロアマットにアクセルが引っ掛かり戻らなくなる問題に対応して行う。中日新聞によると、改修費用は400億円前後。トヨタはリコールなどに備えて積み立てた製品保証引当金が3月末で4293億円あるため、業績に影響はないとの広報コメントをブルームバーグが伝えている。なお、トヨタではこの措置を、リコールではなく自主改善と位置付けている。

旭硝子（5201）が25日午後3時30分、2012年と2014年を満期とするユーロ円建て取得条項付き転換社債型新株予約権付き社債の発行を発表。額面合計は最大で1000億円となる。調達資金は新興市場向けビジネスの強化、太陽電池用部材や省エネ効果の高いガラス開発などに向ける。また、ゴールドマン・サックス証券は旭硝子のレーティングを「買い」から「中立」へ、目標株価を1010円から950円に引き下げた。旭硝子株は急落し、26日終値は63円安の739円。

内田洋行（8057）が25日午後3時、2010年7月期の第1四半期連結決算と通期業績予想の修正を発表。売上高を1390億円から1330億円に、営業利益を15億円から4億円に減額。不況によりオフィス家具関連商品の売れ行きが悪化。また、教育関連事業において、政権交代により理科関連とICT関連の予算執行が遅れていることも影響した。純利益は8億円から0円に減額。コスト削減のために行うオフィスの移転に伴い、原状回復工事などで約8億円の費用が発生、特別損失に計上した。26日終値は9円安の218円。

セシール（9937）が16円高の175円と急騰。フジ・メディア・ホールディングス（4676）が金銭を対価とする株式交換により完全子会社化すると発表。セシールは2010年2月24日付で上場廃止となる。最終売買日は2月23日。交換額は1株当たり180円。

24日の穴吹工務店破綻に関連し、25日引け後にも債権が取り立て不能となる恐れがあると発表する地銀が相次いだ。ただ、特に目立った売りはみられなかった。前日に下げたテーオーシー（8841）や穴吹興産（8928）も堅調推移となった。