• 2010年6月3日 木曜日 23時31分

業績好調で後発医薬品株が本格上昇中、上場来高値相次ぐ

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後発医薬品(ジェネリック医薬品)と新薬・先発医薬品メーカー間の株価格差が広がっている。医薬品セクターの業種別株価指数は3月31日の1385.49ポイントから、5月31日の1276.68ポイントまで7.85%下落した。時価総額上位の新薬メーカー株の安値更新に引きずられたためだが、実際には医薬品業界内の業態によって、見えてくる光景は全く違ったものになっている。

後発薬の代表的銘柄は沢井製薬(4555)、東和薬品(4553)、日医工(4541)、日本ケミファ(4539)。4社とも4月以降、高値を切り上げている。

対する新薬メーカーは同時期、新安値が相次ぐ状況となっている。国内製薬業界1位の武田薬品工業(4502)は5月27日に年初来安値。業界2位のアステラス製薬も同日に年初来安値。業界3位の第一三共の株価も年初来安値圏にある。

東和薬品、沢井製薬の年初来高値が5月31日、日本ケミファ、日医工は6月1日で、業態でこれほど分かりやすい差がつくのも珍しい。沢井製薬は上場来高値を更新中だ。

後発薬関連株(東和薬品、沢井製薬、日本ケミファ、日医工)と先発薬(武田薬品工業、アステラス製薬、第一三共)の2010年3月2日から6月3日の比較チャート

上は2010年3月2日から6月3日の比較チャート。2010年4月以降、はっきりと差が付いている。この動きは今期の業績予想に素直に沿ったものだ。以下は先発薬3社と後発薬4社の2011年3月期業績予想の比較(日医工のみ2010年11月期予想)。

  社名 コード 2011年3月期予想
営業利益 純利益
*日医工のみ2010年11月期予想
先発薬 武田薬品工業 (4502) 3300億円(21.5%減) 2200億円(26.1%減)
アステラス製薬 (4503) 1520億円(18.5%減) 1070億円(12.5%減)
第一三共 (4568) 900億円(5.8%減) 450億円(7.5%増)
後発薬 沢井製薬 (4555) 100億円(17.4%増) 58億円(16.4%増)
東和薬品 (4553) 89億円(14.9%増) 53億円(15.2%増)
日医工 (4541) 66億円(5.7%増) 38億円(1.0%増)
日本ケミファ (4539) 16億円(108.6%増) 6億円(122.2%増)

軒並み減益予想の先発薬各社に対し、後発薬4社はそろって増益予想となっている。また、11月期決算の日医工はすでに第1四半期決算を発表しており、好調が確認されている点も心強い。日医工の第1四半期(2009年12月~2010年2月期)決算は売上高147億円(前期比13.7%増)、営業利益21億円(同62.4%増)、純利益10億円(同103.9%増)と極めて強いものだった。

厚生労働省が処方箋の書式を変更し、後発薬の普及にはっきり舵を切ったのが2008年4月。その後、すぐには後発薬普及は進まず、一時盛り上がった後発薬関連株物色も下火となっていた。しかしこの春以降の株価推移は、いよいよ後発薬普及の本格化が始まったことを示唆しているようだ。

富士経済が2009年11月に発表したジェネリック医薬品市場調査によると、全医薬品に占める後発薬の市場シェアは2008年の5.4%から、2009年には5.7%、2011年には6.3%と上昇を続ける見込み。

2010年3月には面白いニュースがあった。日本生活習慣病予防協会によると、富山県内の保険薬局で調剤された後発薬が49.5%と、ほぼ半数に達したという。これは全国平均を7.2ポイント上回る値だそうだ。富山県は薬売りの長い伝統のある土地だ。薬に対する意識の高い県で後発薬のシェアが向上していることは、今後の傾向を予想する上で参考になるだろう。

以下は後発薬4社別の過去3年間の月足チャート。

沢井製薬 月足チャート 2007年6月4日から2010年6月3日

沢井製薬。上場来高値を更新中。

東和薬品 月足チャート 2007年6月4日から2010年6月3日

東和薬品。6月3日終値は7680円。上場来高値は2007年8月30日の5990円で、更新が目前。

日医工 月足チャート 2007年6月4日から2010年6月3日

日医工。6月3日終値は3095円。上場来高値は2009年9月4日の3350円で、こちらも更新が目前だ。5月28日には仏サノフィ・アベンティスとの資本・業務提携を発表した。

日本ケミファ 月足チャート 2007年6月4日から2010年6月3日

日本ケミファのみ上場来高値更新の見込みはしばらくない。上場来高値はバブル期の1989年11月7日につけた2450円で、6月3日終値は335円とはるか下だ。ただし、業績は低迷を脱し回復に向かいつつある。3月31日終値260円から5月31日終値340円まで株価は2カ月で30.7%上昇した。変化率という点では、他3社を上回ることもありえるだろう。

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