• 2010年4月13日 火曜日 14時20分

メガネ業界をめぐる状況|2007年-2010年春

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メガネトップの躍進

メガネトップの業績は2007年3月期以降、急激に伸びた。低価格業態のメガネショップ「眼鏡市場」が大当たりしたからだ。眼鏡市場の最安価格は15750円で、3万円以上が普通だったメガネ業界で、売上を伸ばすのは当然だった。

2007年5月からしばらくのあいだ、眼鏡市場の既存店売上高は前年比2ケタの伸びが続いた。2008年3月以降はさすがに2ケタの伸びとなる月は減り、時折前年割れとなる月はあったものの、基本的には好調が続いた。

眼鏡市場・既存店の前年同月比伸び率
  1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
2007年       +9.0 +20.5 +42.5 +15.8 +18.3 +36.7 +34.4 +26.0 +20.8
2008年 +17.4 +13.6 +7.5 +6.8 +6.5 -2.1 +8.1 +7.3 -12.0 -7.2 +8.4 +2.5
2009年 +1.1 +8.3 +10.6 +9.7 +10.6 +1.6 +1.8 +6.4 -5.2 -7.3 -11.7 +4.4
2010年 -5.2 -18.5 -12.4                  

2009年3月期の業績が好調に推移していることを確認すると株価も大幅に上昇し、2008年10月の345円から翌年2009年9月の1800円まで1年間で5.2倍になった。

メガネトップ 週足チャート 2008年6月2日~2009年9月14日

その間の同業他社は悲惨だった。

業界最大手の三城ホールディングスは売上を数十億円単位で減らし、2007年3月期に70億円あった営業利益は2009年3月期には8億円の赤字に落ち込んだ。関西地盤の愛眼も売上を年々減らし、2009年3月期は営業段階から赤字。メガネスーパーに至っては2008年4月期から連続して大きな最終赤字を計上し、継続企業の前提に疑義が注記されるに至った。

メガネトップ、三城ホールディングス、愛眼、メガネスーパーの2008年6月2日から2009年9月14日の株価推移の比較

株価もメガネトップ以外は悲惨な推移になった。

さらなる低価格業態の台頭

しかしメガネトップの快進撃も2009年前半までだった。さらなる低価格を売りにするメガネチェーンが台頭してきたからだ。

例えば、低価格メガネチェーンのジェイアイエヌが展開するJINSの中心価格は5990円と7990円。眼鏡市場をはるかに下回る価格だ。

売上の伸びもすごい。JINS業態の既存店売上高は2009年9月以降、毎月前年比で30%以上伸びている。

当然株価の上昇もすごくて、目下大相場の真っ只中。2009年2月13日にわずか39円だった株価は、2010年3月1日には540円まで上昇した。実に13.85倍だ。

ジェイアイエヌ 週足チャート 2009年1月5日~2010年4月9日

業績も伸びる。2010年4月5日には業績予想を上方修正した。

ジェイアイエヌ 2010年8月期第2四半期累計期間及び通期個別業績予想の修正に関するお知らせ(PDF)

2010年8月通期の売上は89億9000万円から102億円、営業利益は2億5000万円から3億5000万円、純利益は6800万円から1億円へ増額された。第2四半期の実績は売上49億9700万円、営業利益2億6500万円、純利益1億2400万円だった。通期予想通りなら下期の売上が40億円に満たないことになる。通期予想は明らかに控え目で、いずれ上方修正される可能性は高いだろう。

メガネトップの月次売上高は2009年9月を境に減少傾向が著しくなる。2010年に入ってからは、既存店売上高が2月、3月と連続して2ケタ減となった。2010年3月期の業績予想も、期初の増益予想から一転、減益予想に下方修正されることになった。

メガネトップの業績伸長に大きな期待を抱いていた株式市場にはネガティブサプライズで、1800円まで上昇した株価はあっという間に592円まで下落した。1800円高値をつけてからわずか5カ月だった。

メガネ業界各社の業績表

以下はこの数年の上場メガネチェーン各社の業績推移。

売上、利益を落とし続ける三城、メガネスーパー、愛眼に対し、低価格業態で勝負を仕掛けたメガネトップは市場が縮小する中で売上、利益とも大きく伸ばした。ただしそのメガネトップも、2011年3月期に増益を続けられるかどうかは微妙だ。

目下の注目は、ジェイアイエヌの業績がどこまで伸びるかにある。

2006年度 2007年度 2008年度 2009年度
会社予想
単位:100万円
2009年度業績数値は2010年4月12日時点の会社予想
三城ホールディングス
(7455)
売上高 66929 63876 57745 58111
営業利益 7033 3881 -800 386
純利益 4324 1906 -3204 -596
メガネトップ
(7541)
売上高 33546 42099 46607 49680
営業利益 2325 2641 5316 4520
純利益 1011 877 2899 2160
メガネスーパー
(3318)
売上高 38293 35313 29422 26570
営業利益 2354 -549 -257 440
純利益 987 -2949 -3770 -90
愛眼
(9854)
売上高 26878 25648 22228 21790
営業利益 2054 922 -342 181
純利益 1077 210 -1254 108
ジェイアイエヌ
(3046)
売上高 5101 6222 7433 10200
営業利益 679 223 144 350
純利益 387 -112 -18 100

既存メガネチェーンの今後

既存のメガネチェーンの今後だが、かつての高収益を体質を復活させるのは難しいだろう。

3万円→5000円の価格破壊メガネ安売り戦争の下克上|Close Up|ダイヤモンド・オンライン

上の記事によると、メガネの原価は1200円だそうだ。原価1200円の商品を3万円で売るようなビジネスモデルが今後、デフレに蝕まれる日本で成立するとはとても思えない。

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