戦後日本の首相と株価|1949-1972|吉田茂から佐藤栄作まで
スポンサーリンク第2次世界大戦以降の日本の首相と平均株価の推移をまとめた。このページでは敗戦後の復興から高度成長期まで、吉田茂、鳩山一郎、石橋湛山、岸信介、池田勇人、佐藤栄作まで24年間6人の首相を掲載した。
同時代からの視点に近づけるため、チャートは首相退任時までの表示とした。点線から右側、背景が薄黄色の部分が就任後の株価推移。在任中の平均株価の騰落率は、政権発足日の終値から退任日の終値までを採った。
吉田茂
1949 | 1950 | 1951 | 1952 | 1953 | 1954 |
- 首相在任期間
- 1948年10月15日~1954年12月10日
- 1949年5月始値
- 176円21銭
- 退任時平均株価
- 340円17銭
- 騰落率
- 93.0%
- 年率換算騰落率
- 15.1%
敗戦により灰燼に帰した国土が復興に向かう礎を築いた。
1950年6月25日、朝鮮戦争勃発。戦争特需による好況で平均株価は2年以上にわたり上昇。1950年6月終値86円17銭から1953年1月終値456円43銭までの上昇率は429.6%に達した。
1953年3月5日、スターリン・ショック。上昇相場は終焉し、1953年暮れにかけてリバウンドはあったものの、以後はもちあいとなった。
なお、平均株価は第3次吉田茂内閣の任期中に算出が開始されたため、騰落率は指数の算出開始時点から退陣までとした。
鳩山一郎
1950 | 1951 | 1952 | 1953 | 1954 | 1955 | 1956 |
- 首相在任期間
- 1954年12月10日~1956年12月23日
- 就任時平均株価
- 340円17銭
- 退任時平均株価
- 550円61銭
- 騰落率
- 61.9%
- 年率換算騰落率
- 30.3%
保守合同で誕生した自由民主党の初代総裁。55年体制始まる。1956年10月19日、ソビエト連邦と国交回復。
高度成長期始まる。神武景気により在任中の平均株価は一貫して上昇。1956年、経済白書に「もはや戦後ではない」。冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビが三種の神器と呼ばれる。
石橋湛山
1950 | 1951 | 1952 | 1953 | 1954 | 1955 | 1956 |
- 首相在任期間
- 1956年12月23日~1957年2月25日
- 就任時平均株価
- 550円61銭
- 退任時平均株価
- 562円91銭
- 騰落率
- 2.2%
- 年率換算騰落率
- 12.7%
ジャーナリスト出身。東洋経済新報(現・週刊東洋経済)で活躍。脳梗塞に倒れ、就任後わずか65日で退陣。
岸信介
1953 | 1954 | 1955 | 1956 | 1957 | 1958 | 1959 | 1960 |
- 首相在任期間
- 1957年2月25日~1960年7月19日
- 就任時平均株価
- 562円91銭
- 退任時平均株価
- 1115円65銭
- 騰落率
- 98.2%
- 年率換算騰落率
- 28.9%
六十年安保闘争を跳ねのけ日米安保条約を調印。騒乱をよそに経済は2ケタ成長を続け、岩戸景気と呼ばれた。平均株価は一貫して上昇。
池田勇人
1958 | 1959 | 1960 | 1961 | 1962 | 1963 | 1964 |
- 首相在任期間
- 1960年7月19日~1964年11月9日
- 就任時平均株価
- 1115円65銭
- 退任時平均株価
- 1202円69銭
- 騰落率
- 7.8%
- 年率換算騰落率
- 1.8%
所得倍増計画を打ち出し、経済成長に邁進した。立案者下村治。
意外にも任期中の平均株価上昇率は低い。就任時期が岩戸景気終盤に当たり、政権発足後1年で大相場が天井を打ち、以後もちあいとなったことによる。1964年10月の東京オリンピック前に向けたオリンピック景気では、平均株価はさして上昇していない。
佐藤栄作
1963 | 1964 | 1965 | 1966 | 1967 | 1968 | 1969 | 1970 | 1971 | 1972 |
- 首相在任期間
- 1964年11月9日~1972年7月7日
- 就任時平均株価
- 1202円69銭
- 退任時平均株価
- 3695円31銭
- 騰落率
- 207.3%
- 年率換算騰落率
- 27.0%
高度成長時代の安定した経済を背景に長期政権を実現。首相在任日数2798日は戦後最長。任期中の平均株価上昇率207.3%も戦後最大。
政権発足時は証券不況のまっただなかで、平均株価の上昇が始まるのは就任3年目の1967年終わりから。翌1968年9月、1961年7月につけた大天井を7年ぶりに更新。いざなぎ景気に乗った上昇が続いた。
1971年ニクソン・ショック。金・ドル交換停止、変動相場制に移行。