ココイチの壱番屋株が6月に上昇している

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カレーハウス「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋(7630)の株価が6月に入って、年初来高値を切り上げる展開になっている。珍しいパターンだ。 壱番屋月足チャート 2006年5月~2011年6月9日 壱番屋は株主優待が人気の会社だ。優待内容はココイチで使える飲食券が、100株以上所有で1500円分、500株以上で5000円分、1000株以上で1万円分贈られる。さらに、その決算期に壱番屋のグループ店舗数が100の倍数を突破したときは、100株以上所有で1000円分、500株以上で2500円分、1000株以上で5000円分の飲食券が追加される。株主優待を実施している企業は多いが、壱番屋の優待はそのなかでもかなり魅力的な内容だ。 そのため壱番屋株は、優待権利確定月の5月と11月に向けて優待目当ての買いで上昇し、権利落ち日が近づくと下落を始めるという習性を持っている。 ところが今年は、5月27日の権利落ち日こそ大幅安だったものの、翌日からすぐに上昇を始め、6月9日に前月9日につけた年初来高値を更新してしまった。 壱番屋株は、2005年以降、2000円から2500円の間をゆっくりと往来してきた。上場来高値は2006年5月につけた2560円で、その後、2009年3月に1830円まで下げた。2009年3月は日本株全体がリーマン・ショック後の最安値をつけた時期だ。そこから再び上昇を始め、この6月に2485円まで値を戻してきた。 壱番屋は2011年5月期に、過去最高益を更新する見込みになっている。とはいえ、この予想に東日本大震災がどの程度影響を及ぼしているかは不明だ。3月18日に会社側が発表したところでは、93店舗が営業を停止していた。既存店売上高は、3月が98.1%、4月が95.1%と落ち込みを見せた。5月には98.7%と回復傾向を示しているが、第4四半期(3~5月)が会社計画を下回っているのは間違いない。 それにもかかわらず決算発表を控えたこの時期に株価が上昇するのは、2012年5月期の好業績期待が大きいためだろう。2011年5月期は、第3四半期まで好調に推移していた。通期業績予想は控えめで、上ブレが期待される状況だった。第4四半期に震災の影響があったため、最終的な決算の上ブレは期待しにくくなったが、2011年5月期が期待されたより低い数字となることで、2012年5月期業績の伸び率が大きくなる可能性が高まった。 決算発表は7月上旬が予定されている。発表と同時に出尽くしなどの理由でいったん下落する可能性は高いが、決算内容が期待を裏切らない限りチャネルラインの下限までに下げ止まる可能性が高いだろう。また、上場来高値2560円を上に抜ければ、いわゆる青天井型のチャートになる。場合によっては3000円台乗せも見えてくるのではないか。
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