ソフトバンクが119億円800万株上限に自社株買い

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株価の下落が止まらないソフトバンクが28日夜自社株買いを発表しました。上限800万株、取得総額119億円で取得期間は10月3日から2012年9月30日までです。自社株買いを行う理由は「経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を遂行するため」とのことです。

ソフトバンク株価

auからiPhone5が発売されると報道されて以降の株価下落に危機感を持ってのことなのでしょうが、しかし119億円を800万株で割れば1株あたりの取得価格は1487円です。ソフトバンクの9月28日の株価は2214円で、8月の初めには3000円ありました。ですから119億円800万株上限の自社株買いというのは、ずいぶん低い設定ということになります。まさか孫正義社長は、ソフトバンク株の適正株価は1500円くらいと思っているのでしょうか。

自社株買いのアナウンスメント効果として、経営陣が考える適正株価を投資家に知らしめるという面があります。上限250億円、100万株の自社株取得枠を設定したとの発表があれば、1株あたり2500円から下は安すぎだという意思表示になるわけです。それが今回は119億円800万株の取得枠ですから、結構謎な上限設定なわけですね。

ちなみに発表時間は午後9時半と、異例の夜間発表でした。ですから、この株価下落に相当な危機感を持って夜遅くに大規模な自社株買いの発表を行ったのかと思ったらこの内容だったので、思わず目を疑ったわけです。

一方、ソフトバンクは9月2日から7日にかけても400万株107億9328万円を市場で買い付けています。この時は1株あたり2698円での買い付けでした。8月31日時点でソフトバンクが保有していた自己株式数は18万3995株でしたから、ここにきて猛烈な勢いで自社株買いを行っています。ですから今回も、2000円以上の株価で自社株を取得し、上限に達したら再度自社株取得枠を設定しなおすという可能性もあるわけです。

また、自社株取得開始日が10月3日というのもポイントでしょう。アップルは10月5日にiPhone5の発表会を開催します。ですから、この発表であらためてソフトバンク株が売られる可能性があるわけです。10月3日からの自社株買いは、多少はiPhone5発売後のソフトバンク株下落に歯止めをかける効果があるかもしれません。

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