Googleのトレーディングは問題にならないか?

公開
スポンサーリンク
5月27日にグーグルが始めた投資活動についての記事があった。 買収資金も自ら“検索” グーグル、トレーディングルームで2・4兆円運用 – SankeiBiz(サンケイビズ) ビジネスウイークの記事Google's Latest Launch: Its Own Trading Floorを翻訳したもののようだ。 トレーディングルームの開設は265億ドルに及ぶ現金を運用するためだそうだ。巨額のキャッシュを積み上げた企業としては当然の動きだ。どのくらいの現金を扱うのかや、投資対象、投資ルールについては触れていない。短期投資は行わず、長期的視点で運用を行う方針だという。トレーダーはゴールドマン・サックスやJPモルガンなどの出身者が加わっているようだ。 ところでチャイニーズウォールはあるんだろうか。Googleは個人の考えや行動に関する大量のデータを持っている。それは、悪用すれば間違いなく投資に役立つデータになる。Googleのサーバーには社外の人間が持つインサイダー情報も眠っているはずだ。トレーディング部門とその他の部門間で情報のやりとりがあってはならない。部門間で情報を遮断するチャイニーズウォールは必須だろう。 まあ、社是が「悪をなさない」なんだから当然それは守られるのだろう。 では、検索語句と連動したトレードを行う可能性は? この記事を受けて、twitter上でその可能性を指摘している人がいた。
検索ワードと連動したアルゴリズムトレードとか始めたりしてw RT @en: 買収資金も自ら“検索” グーグル、トレーディングルームで2・4兆円運用http://bit.ly/9L7yQn
1:45 PM Jun 1st Echofonから
tkoba123
KT
2009年9月、Tech Crunchにこういう記事があった。 Google Domestic Trends:Googleの検索データに基づいて投資するのは賢明か Googleは「ある分野に関連するワードの検索件数が独自の経済指標になる」と考えているという。トレーディングルームの開設はこの記事から3ヶ月後だ。 検索語句の傾向を利用したトレードは許されるのだろうか? 個人情報を悪用しないとしても、ユーザーが別の目的のために入力した語句がグーグルのトレーディングに使われるのは問題とならないのだろうか? もちろんこれは仮の話だ。Googleがそういうことを行うと言ったわけではない(やらないとも言っていないが)。 僕は検索語句を投資に活かすことは可能だし、しかもかなり成果が出るだろうと思っている。そしてGoogleがそれをやることは許されないだろうと考えている。Googleが行っているのはメディアビジネスでもある。メディア企業が取材を通じて得た情報で投資を行うことは許されない。同様にユーザーの検索語句をもとにした投資も許されないだろうと思う。フロントランニングがやりたい放題になってしまう。
スポンサーリンク
スポンサーリンク