日本合成化学ストップ高、2010年3月期予想を上方修正、前期比大幅増益に

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8月7日、日本合成化学工業(4201)がストップ高比例配分となった。8月6日午後3時に2009年4-6月期決算を発表、同時に2009年9月中間期と2010年3月通期の業績予想を大幅に上方修正し好感された。

2009年9月中間期連結業績予想
売上営業利益経常利益純利益1株利益
単位:100万円・円
5月8日発表予想43000160012006006.16
8月6日修正予想4400042003900220022.58
2010年3月通期連結業績予想
売上営業利益経常利益純利益1株利益
単位:100万円・円
5月8日発表予想8900048004000220022.58
8月6日修正予想9100072006500360036.95

通期1株利益は36.95円予想に

日本合成は5月8日に発表した通期の業績予想を修正、売上高を890億円から910億円(前期比9.9%減)に、営業利益を48億円から72億円(同64.3%増)に、純利益を22億円から36億円(同2.89倍)に増額した。1株あたり純利益(EPS)は22.58円から36.95円に増加する。

同時に発表した第1四半期決算は売上高216億円(前年同期比17.2%減)、営業利益26億円(同49.0%増)、純利益15億円(同21.7%増)と減収増益だった。

合成樹脂部門の営業利益が人件費などのコスト減、在庫評価の洗替差益、液晶用部材の回復などにより前年同期比7億2000万円増の26億2000万円となったことが奏功した。合成樹脂部門は利益の大半を稼ぎ出した。売上高は153億5300万円(前年同期比9.7%減)だった。

有機合成部門の売上高は前年同期比33.7%減の55億6800万円と、合成樹脂部門の9.7%減に対し落ち込みが激しい。ただ、営業損益は前年同期の6700万円の赤字から1億1700万円の黒字となり、全体の業績に与える影響はわずかながらも、黒字転換を果たした。

地域別の売上高はアジアが前年同期比4.6%減の51億2900万円となり、18.2%減の北米、27.9%減の欧州に対し相対的な落ち込みの低さが目立った。

営業キャッシュフローは56億1600万円の黒字となり、前年同期の17億1900万円から大幅に増加。現金および現金同等物の残高は104億円となり、前期末の残高86億円から18億円を積み重ねた。

年初来高値更新、なお上値余地か

8月7日は大幅上方修正を受け寄り付きから買いが殺到。買い気配を切り上げ、大引けで80円ストップ高の544円で比例配分となった。取引成立は84万8000株。667万4000株の買い注文を残した。増額後の予想PERは7日終値ベースで14.7倍。

株価は大幅続伸で年初来高値を更新するとともに、過去1年の高値も上回った。2月18日の年初来安値201円からの上昇率は2.5倍に達する。550円から600円にかけては累積売買代金が多く、チャート上の節目も複数存在するため、目先は調整の可能性もありそうだ。ただ、前期比減益となる企業が相次ぐ中で、今期予想を大幅増益に上方修正したインパクトは大きく、中期的に2008年3月高値734円、2007年11月高値775円を目指す展開も期待できそうだ。

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