低位株祭り 2011年5月

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今週は低位株祭りだった。ジャスダックの出来高は、通常3000万~5000万株で推移している。それが、5月24日に9590万株に跳ね上がり、25日には2億23123万株に達した。26日は1億1630万株、きょう27日は1億989万株となった。

低位株が一斉に買われる現象は定期的に起きる。過去のでたらめなファイナンスにより発行株数が異常な量に膨らみ、業績も低迷する企業の株価は1ケタや2ケタになる。これらの株は少額で大量に買うことができるので出来高が容易に膨らむ。その結果、市場全体の出来高指標を押し上げる。

ただし、本質的はまったく価値のない株が投機的に買われているだけなので、売買代金は膨らまない。出来高が膨らむ前日、23日のジャスダックの売買代金は313億円だった。出来高が爆発的に増えた24日以降の売買代金の推移は、24日253億円、25日265億円、26日260億円、27日237億円。まったく増えていないどころか減っている。ようするに市場全体の価値はまったく膨らんでいない。

つまり低位株というのはゴミ株の集まりで、まともな投資家は近づかない(例外はあるが)。しかし、こういうゴミ株がぴょんぴょん跳ねる時期というのがあって、相場サイクルの時期を見るにはそれなりには役立つ。ようするに行き所のない資金が暴れているのであって、相場の方向性が変わる時期が近い。

この手の低位株の会社は、普段から後ろ暗い商売に手を染めがちである。なので時々、社名を変更してこびりついた悪いイメージを払拭しようとする。もっとも、そこは社名をつける動機が不純なので、いかにもな名前をつける。怪しげな実業家が今この時期に一見耳障りの良さそうなマーケティング用語を散りばめたらこうなりましたみたいな失笑ものの名前をつける。

ソーシャル・エコロジー・プロジェクト(6819)という聞きなれない会社があるなと思ったら、旧オメガプロジェクトだった。去年の10月に改名していたらしいが、ソーシャルでエコロジーである。どうかしてる。今は何の事業をしているのかなと思ってサイトを見たら、トピックスのトップは伊豆シャボテン公園でカピバラが4頭生まれたというお知らせ(PDF)だった。

伊豆シャボテン公園 カピバラ出産のお知らせのプレスリリースのキャプチャ画像

殺伐とした会社にほのぼのニュースである。しかしサイトの安っぽさがたまりませんなあ。

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