神戸物産、2009年10月期利益予想を下方修正|5期連続の減益に
スポンサーリンク9月4日午後4時半、業務用食品スーパーをフランチャイズ展開する大証2部上場の神戸物産(3038)が、2009年10月期第3四半期(2008年11月-2009年10月)決算と通期業績予想の下方修正、自社株取得を発表した。第3四半期の売上高は前年同期比22.3%増の938億6100万円となり、171億円の増加。一方、利益面では苦戦が続き、通期の営業利益予想を18億7500万円から6億8500万円(前期比32.8%減)に、純利益予想を11億1000万円から3億2600万円(同26.4%減)へ下方修正。修正後の1株利益(EPS)は40円42銭となる。
売上 | 営業利益 | 純利益 | |||
---|---|---|---|---|---|
単位:100万円・円 | |||||
2008年12月15日発表予想 | 131000 | 1875 | 1110 | ||
2009年9月4日修正予想 | 据え置き | 685 | 326 | ||
前期比 | (22.3%増) | (32.8%減) | (26.4%減) | ||
前期 | 107146 | 1019 | 443 |
店舗数の増加続く
売上増と利益減は、フランチャイズ加盟店の出店費用を、神戸物産が一部負担していることによる。この経営施策が奏功し、第3四半期までの新規出店数は24と、厳しい経済環境の中で順調に店舗数を増加させた。ただ、順調とはいっても、通期で40店舗以上の出店を行った2006年10月期、2007年10月期のペースには及ばない。
売上 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | 1株利益 | |
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単位:100万円・円 | |||||
2005年10月期 | 76494 | 1900 | 1934 | 1198 | 181.54 |
2006年10月期 | 90076 | 1792 | 1830 | 1131 | 154.98 |
2007年10月期 | 95173 | 1533 | 1597 | 970 | 117.16 |
2008年10月期 | 107146 | 1019 | 797 | 443 | 54.70 |
2009年10月期(会社予想) | 131000 | 685 | 573 | 326 | 40.42 |
株価回復は利益率次第
積極的な出店により、神戸物産の売上は増加を続けているが、利益面では5期連続の減益となった。2006年6月8日の株式公開以来、増益となったことは1度としてない。さえない業績を反映し、株価は上場直後につけた5250円高値から2008年10月の安値852円まで80%以上下落。2009年4月以降は1400円をはさんだ水準で推移していた。4日の決算発表を受けた7日の株価は、35円高の1421円。業績下方修正と同時に発表した上限20万株の自社株買いに反応した格好だ。
株価の回復は、いうまでもなく売上の増加を利益に結び付けられるかどうかによる。神戸物産の利益率は、規模の拡大を図る中で低下を続けてきた。営業利益率は2005年10月期の2.48%から、2008年10月期には0.95%まで悪化。2009年10月期の業績が会社予想通りに着地すれば、利益率はさらに低下することになる。第3四半期までの業績推移を見る限り、2009年10月期も会社予想通りの減益となる可能性は高い。
株価の本格的な上昇は、利益率に回復の兆しが見え始めてからとなるだろう。仮に営業利益率が2%まで回復すれば、2009年10月期の予想売上1310億円に基づいた営業利益は26億2000万円となる。売上の増加は来期以降も続きそうで、利益率さえ回復すれば1株利益の200円乗せも期待できそうだ。現時点で、このシナリオが実現へ向かう兆しは見えていないが、利益率に回復の傾向が見え始めたときは、格好の投資機会となるのではないか。