［市況］10月14日の東京株式市場｜日経平均16円安、円高反転と米金融機関決算控え見送り商状

全体概況

10月14日の日経平均株価は前日比16円35銭安の1万60円21銭と6日ぶり反落。13日の米国株式市場の通常取引終了後、注目を集めていた米インテルの7-9月期決算が発表され、売上高・純利益とも事前の市場予想を上回り、インテル株は時間外取引で4.93％上昇。これを好感し、東京株式市場は小幅高でのスタートとなった。ただ、12日に1ドル＝90円台を回復した為替が再び円高方向に振れ、14日午後1時ごろには1ドル＝88円台までドルは下落、日経平均の上値を抑えた。14日に米金融機関のJ.P.モルガンやモルガン・スタンレーの決算発表が予定されていることも手控え要因となった。

東証1部の出来高は21億8659万株、売買代金は1兆4875億円。値上がり533銘柄、値下がり1031銘柄、25日騰落レシオは78.61％。新高値は21銘柄、新安値は44銘柄。東証業種別株価指数は全33業種中、値上がり14業種、値下がり19業種だった。

個別株概況

日本航空（9205）の再建計画が主力取引先銀行による2500億円超の債権放棄を柱とすることが明らかになり、大手銀行株が軒並み売られた。三菱UFJフィナンシャル・グループ（8306）が3.19％、三井住友フィナンシャルグループ（8316）が4.66％、みずほフィナンシャルグループ（8411）が4.84％の下落。りそなホールディングス（8308）は4.32％安の1062円となり、10月2日につけた年初来安値1088円を更新した。

地銀株が再び下落基調を強め、14日は20行が新安値となった。8日に公募増資を発表した東邦銀行（8346）は9日以降下落が継続。14日は5.65％安の334円となり、4月24日につけた年初来安値348円を更新。三重銀行（8374）は3.60％安の268円となり、2月23日につけた年初来安値271円を更新した。銀行株指数の下落率は3.21％に達し、東証業種別株価指数で値下がり率2位。

その他金融は業種別値下がり率1位。クレディセゾン（8253）が3.14％安、オリックス（8591）が3.75％安。消費者金融株も下落し、アイフル(8515)が9.94％安、武富士(8564)が4.00％安となった。

保険株は業種別値下がり率4位。JPモルガン証券が投資判断を「オーバーウエート」から「ニュートラル」に、目標株価を3610円から3050円に引き下げた三井住友海上グループホールディングス（8725）が2.82％安。同じくJPモルガン証が投資判断を引き下げたあいおい損害保険（8761）も3.70％安。

ホギメディカル(3593)が年初来安値更新。13日引け後、9月中間期決算を発表。会社計画未達となり嫌気された。

半導体後工程用製造装置大手のTOWA(6315)が一時100円ストップ安の713円まで売られた。終値は8.66％安の747円。13日引け後、9月中間期決算を下方修正、最終赤字拡大が嫌気された。

ビックカメラ(3048)が東証2部上場のソフマップ(2690)を完全子会社化すると14日付日本経済新聞夕刊が報道し、両社株は午後2時1分から売買停止となった。ビックカメラは午後2時25分、株式交換による完全子会社化を正式発表。東京証券取引所は午後2時56分から両社株の売買を再開したが、ともに取引は成立しなかった。売買停止前についた両社の14日終値はビックカメラが1.37％安の3万2500円、ソフマップが19.19％高の205円。

不動産経済研究所がマンション市場動向を発表、9月の首都圏マンション発売戸数は前年比26.2％増となり25カ月ぶりの増加となった。不動産株の一角が買われ、なかで13日引け後に2010年3月期の業績予想を上方修正した首都圏マンション販売のタカラレーベン(8897)は一時80円ストップ高の534円まで買われた。