2011年3月17日の日本株市況｜円が史上最高値1ドル＝76円25銭、日経平均は一時454円安も後場下げ幅縮小し大引け131円安

全体概況

2011年3月17日の日経平均株価は前日比131円5銭安の8962円67銭、TOPIXは前日比6.83ポイント安の810.80ポイントとともに反落した。東証1部の出来高は41億690万株、売買代金は2兆5977億円。値上がり985銘柄、値下がり616銘柄、25日騰落レシオは80.83％。新高値は4銘柄、新安値は40銘柄。東証業種別株価指数は全33業種中、値上がり11業種、値下がり22業種だった。

雑感

夕刻に海江田万里経済産業相が、電気需要が多く大規模停電の可能性があるとして節電を呼びかけ。寒さのために電力需要が急増しているとか。しかしみんな結構エアコン使ってるんだね。本当に放射能汚染を恐れているならエアコンなんかつけられたもんじゃない。つまり首都圏の人間は福島原発の問題で放射能汚染の影響を被ることはないと思っているのだ。

同じく夕刻、なぜか菅直人首相が官房副長官に仙谷由人を任命。何を考えているのだろうか。

明け方、ドル・円が1ドル＝80円の壁を突破し、一気に76円25銭まで下落。円が史上最高値を付ける。記念にチャートを貼っておく。

平時なら大騒ぎだがニュースではほとんど取り上げられず。ほかにもみずほのATMが連日ダウンしている問題もほとんど取り上げられず。福島原発や被災地の人々を助けることに比べれば確かに細事か。

東京電力（9501）がようやく寄り付く。終値は798円で、地震前の3分の1近くまで下がった。時価総額は1兆2824億円。震災前日の3兆4084億円から2兆1260億円減少。今日も一時ストップ安まで売られたが、いったん買い戻された。

東電の今後だが、破壊的な環境破壊をもたらし、莫大な損害賠償を抱えた後に破綻した上場企業を処理した例でいえば、水俣病におけるチッソの例が参考になるだろうか。東京電力の場合、今後も発電施設と送電網からの固定収入は見込めるわけで、国家管理の下で、封鎖されるであろう福島第一原発周辺の管理費用を数十年にわたって支払い続けることになるか。賠償も莫大なものになるだろう。上場廃止となったチッソ株は、今はグリーンシートで売買されている。東京電力株もグリーンシートで売買される日が来るだろうか。

新興市場概況

3月17日の新興市場は日経ジャスダック平均が1.19％高と続伸、東証マザーズ指数は1.71％高と続伸した。ジャスダック、東証マザーズの2市場合計の出来高は4874万株、売買代金は427億円。 値上がり601銘柄、値下がり379銘柄。新高値2銘柄、新安値76銘柄だった。