［市況］9月7日の東京株式市場｜日経平均133円高、米株高好感し反発も出来高、売買代金とも低レベル

全体概況

9月7日の日経平均株価は前日比133円83銭高の1万320円94銭と4日ぶり反発。主要20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議（G20）が終了、前週末4日の米国株式市場もダウ工業株30種平均が96ドル高となったことで安心感が広がり、日経平均は101円45銭高の1万288円56銭と反発して始まった。その後は材料難から値動きの乏しい展開となり、前場後場を通じて閑散商状が続いた。日中の値幅は52円07銭にとどまった。

東証1部の出来高は15億1707万株、売買代金は1兆475億円となりともに低水準。出来高は2月16日の15億6079万株を下回り、大発会を除いた2009年の実質最低を更新。売買代金は大発会を除き、2009年4番目の低水準だった。騰落銘柄数は値上がり862銘柄、値下がり644銘柄、25日騰落レシオは88.19％。新高値は41銘柄、新安値は14銘柄。東証業種別株価指数は全33業種中、値上がり27業種、値下がり6業種だった。

個別株概況

業種別株価指数で不動産が値上がり率1位。三菱地所（8802）が5.29％高、住友不動産（8830）が4.28％高、三井不動産（8801）が3.18％高となり、大手不動産株が軒並み大幅高。NTT都市開発（8933）は7.13％の上昇。バークレイズ・キャピタル証券が4日に開催したセミナーで、不動産セクターに対し強気の見方を示した。

東栄住宅（8875）は10％超の大幅上昇。2009年2-7月期決算とともに、継続企業の前提に関する疑義の注記が解消されたと発表。先行きへの安心感が広がり、一時100円ストップ高の942円まで買われ、8月12日につけた年初来高値871円を更新した。

民主党政権下での公共工事削減の影響が懸念され、低位建設株が安い。値下がり率4位が大末建設（1814）、5位熊谷組（1861）、6位佐田建設（1826）、9位東洋建設（1890）、10位若築建設（1888）と上位を占めた。11位以下にも日特建設（1929）、大豊建設（1822）など株価2ケタの建設株が並んでいる。

SUMCO（3436）が5％を超える大幅高。4日引け後に未定としていた2010年1月期の業績予想を発表、最終損益が1000億円の赤字になるとした。寄り付きはウリ気配で始まり、始値は3.04％安の1909円となった。その後は収益回復期待に買いが優勢となり、終値は111円高の2080円。日足チャートは前日の小陰線を大陽線が包み込む抱き陽線となっている。

東京ドーム（9681）は小幅安。投資用有価証券評価損を計上、2009年2-7月期の業績予想を下方修正した。

4980円の低価格簡易地上デジタルチューナーの発売を発表したピクセラ（6731）に買いが殺到。80円ストップ高の298円引けとなり、6月4日につけた年初来高値291円を更新した。ピクセラ株は従来からニュースに反応し突発的に大きく買われやすい傾向があった。実態面では2005年9月期以降最終赤字が続いており、今期も第3四半期（2008年10月-2009年6月）まで営業、経常、最終損益とも赤字。通期予想も赤字となっており、継続企業の前提に疑義の注記がついている。