幻冬舎が5%の自社株買い、金庫株の増加と1株利益の上昇続く

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中堅出版社の幻冬舎(7843)が急騰。一時2万円ストップ高の15万700円まで買われた。25日午後5時、上限1500株、発行済み株式総数に対する割合5.21%の大規模な自社株取得枠の設定を発表し好感された。

取得期間は2009年11月26日から2010年3月24日までで、取得総額は2億2000万円。取得総額を上限取得株数で割ると、1株当たり約14万6666円。26日終値は1万5300円高の14万6000円で、幻冬舎が想定しているとみられる取得上限価格にサヤ寄せした。

有価証券報告書によると、幻冬舎は2009年9月30日時点で自社株7235株、発行済み株式総数に対する割合20.09%を金庫株として保有している。25日発表の自社株取得枠を上限まで使えば、幻冬舎の金庫株は25%に達し、著しく大きな水準となる。モーニングスターの報道によると、金庫株の消却予定はないもよう。

幻冬舎は出版不況が厳しさを増し、講談社などの大手出版社が赤字となるなかでも堅実な業績を維持し、無借金経営を続けている。11月12日に発表した2010年3月期の第2四半期決算も、売上高が前年同期比4.6%増の59億8500万円と堅調だった。営業利益は減益だったものの、純利益は前年同期比26.8%増の3億7500万円と増益。通期予想は売上高120億円(前期比3.1%増)、営業利益14億1000万円(同2.5%増)、純利益7億1800万円(同58.5%増)を見込んでいる。

決算発表時点の1株利益予想は2万4448円で、上限まで自社株取得が行われれば、1株利益は2万6000円近くまで上昇するとみられる。1株利益2万6000円を用いて求めた26日終値14万6000円のPERは5.61倍と、極めて割安な水準にとどまる。会社予想の2万4448円で割り出したPERでも5.97倍と、割安水準に変わりはない。

配当は、期末一括で5000円を予定。26日終値での配当利回りは3%超となっている。

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