2009年8月の株式市場|3月以降の騰勢鈍る

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8月の上昇率は1.31%、3月以降の騰勢一服

8月31日の日経平均株価は前日比41円61銭安の1万492円53銭となり、2009年8月の月足は6カ月連続の陽線となった。始値は1万355円23銭、安値が8月21日の1万142円22銭、高値が8月31日につけた1万767円ちょうどと、1万500円をはさんでもみあった。7月終値の1万356円83銭からの上昇率は1.31%だった。

日経平均の月ごとの上昇率は3月が前月比7.15%、以降4月8.86%、5月7.86%、6月4.58%、7月4.00%、8月1.31%と、株式相場が2009年3月に底打ちして以降の騰勢は一服しつつある。

8月後半の日本市場は、中国株式市場の乱高下と、8月30日に投開票された衆院選の行方に左右される展開が続いた。しかし、1日の動きでは中国株式市場につられる傾向がみられたものの、1カ月単位でみれば8月の日経平均は1.31%上昇、上海総合指数は16.16%の下落と、連動性は高くない。衆院選は30日に投開票され、民主党が308議席を獲得する圧勝となった。9月以降の株式市場は、民主党の政権運営を見極めながらの動きに変わるだろう。

2003年との比較

2008年秋のリーマン・ショック以降の世界同時株安と、破綻した金融機関の国有化と量的緩和による資金供給という政府対策が効果を発揮し始め株価が急反騰に向かう過程は、2003年当時のITバブル崩壊後安値から株価が反騰するに至る過程との類似が指摘される。

当時の日経平均株価の推移は、2003年4月28日の7603円76銭から同年9月19日の1万1160円19銭まで5カ月間で46.77%上昇。その後調整に入り、10月に1万1238円63銭を付けこの年の高値を更新したもののすぐさま反落。その後の日経平均は2004年3月に前年の高値を上抜くまで、5カ月間にわたりボックス圏での動きとなった。

現在進行中の反騰を振り返ると、2009年3月10日のバブル後最安値7021円28銭から、現時点の年初来高値である8月26日の1万668円74銭まで上昇率は51.95%と、すでに50%を超えている。上昇期間は6カ月に達し、上昇率、上昇期間ともに、すでに2003年を上回った。調整の2文字が、そろそろ頭をよぎる時期と言ってよい。

調整の可能性

無論、長期的には株価の上昇は緒についたばかりだろう。2007年11月に後退を始めた景気が反転に向かう時期は、今年後半頃との予想が多いようだ。株価がそれを先取りしている可能性は極めて高い。いずれ始まるであろう景気拡大にあわせ、株価は今以上に上昇し、やがて市場参加者からは暴落の記憶すら失われていく。だがそれは、まだ何年も先のことだ。

ただ、一本調子で上昇し続ける相場は存在しない。上昇するにしても下落するにしても、反落と反騰を交えながら株価は動くものだ。調整入りの可能性を心にとどめておくにはちょうど良い時期だろう。

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