[市況]2009年10月の東京株式市場を振り返る

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2カ月連続のマイナス

10月30日の日経平均株価は前日比143円64銭高の1万34円74銭と反発し、10月相場はかろうじて1万円台を維持して終わった。月足では前月比98円49銭安と、9月に続き前月比マイナスとなった。もっとも、下げ幅は小幅で、終値だけみればほぼ横ばいで推移したといえる。

とはいえ、相場の基調は弱い。月初めに日経平均は、一時9628円67銭まで下げ9月安値を割り込んだ。その後、買い戻されたとはいえ、8月31日に1万767円ちょうどの年初来高値をつけて以降、9月の高値が1万577円19銭、10月の高値が1万397円69銭と、高値は徐々に切り下がっている。安値は9月が9971円05銭、10月が9628円67銭とこちらも切り下がり、チャートは上値を抑えられる一方、下値が切り下がる形となっている。

視線は2010年度へ

10月30日金曜日の米国株式市場はダウ工業株30種平均が200ドル超の下落となった。CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)の日経平均先物期近12月限は9745円となり、週明けの日経平均は再び1万円割れとなる可能性が高い。世界経済は2008年秋のリーマンショック以降、各国の金融緩和と財政出動により底打ちから回復へ向かい始めた。日経平均の2009年3月から8月にかけての50%に達する上昇は、そうした緩和策によりもたらされた金融相場の表れだろう。

株式市場は景気の先行きを予測し上昇と下落を繰り返す。東京株式市場は日本と世界の景気回復を、8月までの上昇で十二分に織り込んだ。今後、日経平均が8月高値を更新し、さらなる上昇に向かうかどうかは、実体経済の回復次第となる。続々と発表されている3月期決算企業の2009年4-9月期決算は、まばらもようという印象だ。上方修正を行う企業も相次いでいるが、これは期初予想が低かったことの反動にすぎない。上半期の業績はすでに相場に織り込み済みであり、株式市場はすでに先を見据えている。今後の景気回復の行方と為替次第では、2010年に入り再減額修正に追い込まれる企業が続出する可能性は否定できない。従って、上昇へのきっかけは、来年度の景気回復と増益が見えてからとなるだろう。

11月以降ももちあいが続く

8月末に記した9月以降の相場予測は調整入りというものだった。9月末の予測も基本線は変わらず、8月高値の更新には時間がかかるだろうと書いた。10月末時点の予測も基本的には変わらない。まとめるなら以下の3点となる。

  1. 基本的にはもちあい。
  2. 2009年8月高値1万767円の更新には時間がかかる。
  3. 次の上昇は2010年度の景気と企業業績が見えてから。

注意点は景気腰折れによる二番底だが、これは鳩山内閣の経済対策次第だ。民主党の政権運営には予測しがたい部分があり、打ち出す政策には注意を払いたい。金融セクターの株価が3月安値に近づくようなら要注意だ。

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